彗星を追うヴァンパイア

出版社からのコメント

１７世紀、イングランド。魔術から科学へ、混沌から秩序へ、世界が読みかえられていく時代。オランダに生まれ、イングランドの地方貴族の養子となった青年オスカー・ウェルズは、ケンブリッジ大学で数学や天文学を学んでいた。母子で暮らした幼い頃からの願いは、「世界のルールを解き明かす」こと。しかし、王位継承をめぐる反乱が起こり、領地を守るため戦場に赴く。危機に瀕したオスカーを救ったのは、人知を超えた力を操り物理法則を逸脱した男、アズ・テイルズだった。「君は、なんだ？」戸惑いながらも、オスカーはアズを友人として認め、彼という現象を科学的に解き明かそうとする。アズもまた、自身を解き明かす科学者として、オスカーに期待していた。実験と思索の日々も束の間、新たな反乱に巻き込まれて多くを失ったオスカーは、愛する人を怪物から人間に戻すため、アズとともに隠遁と研究の旅に出る。しかしそれは、より大きな戦いへと続く旅路だった。